魅力的な絵の描き方

「恐竜と月」.jpg

 アトリエぱれっとには、幼稚園年長さんから高校3年生までさまざまな年齢の生徒さんたちが通っています。
でも、絵の描き方に関しては、共通してある描き方を指導しています。

それは、絵に物語性をつけること。
もちろん、生徒さんの年齢や経験、性格に合わせて声かけは変わります。

例えば、小学生低学年までの生徒さんの場合。
花の絵を描いていたとします。


「いろいろなお花が咲いてると、もっときれいなお花畑になるね。」
「こんな美しいお花があるのなら、チョウチョが飛んでくるかもね。」
「〇〇さんや友だちで遊んだら、きっと楽しいだろうね。」

絵に物語性がある方が、生徒さんもイメージをふくらませて楽しみながら制作できます。

ただのお花だけのの絵は、ただのモノの記録です。

そこに物語性が加わると、作品に生命感や躍動感が感じられるようになります。
次の場面を想像したくなるような魅力が生まれます。



 静物画や風景画には、物語性はつけられないかもしれませんが、作者の思いは表現できます。

テーブルにリンゴが1個置いてある絵を描くとします。

正確に描けば、本物に近い絵を描けるかもしれません。
ただし、本物のリンゴの魅力には勝てません。
そもそも写真を撮れば、時間や労力をかけずに簡単に正確な記録を残せます。

でも、作者がリンゴを見て、
「大きいな。」「赤いな。」「堅そうだな。」「美味しそうだな。」と強く感じた思いを、絵に表現できたとします。

きっと、本物のリンゴよりリンゴらしい魅力が感じられるはずです。
それが絵の魅力ではないでしょうか。

私は、以前漫画やイラストの仕事をしていました。
絵を描くときは、人に観せる絵をいつも意識して作品づくりを考えていたからかもしれません。


ただし、「いや、絵の魅力は、そんなものじゃない!」と誰かに言われたら、「そうかもしれませんね。」と答えます。

絵に正解はないのですから。

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