Mさんがくれた、うれしい作文

 先日、ジュニアコースのMさんが教室に入ってくると、
「先生。学校で書いた作文があります。」
と言って、作文を手渡してくれました。


Mさんは、小学3年生の時に入会して今年5年生になる女の子です。
レッスンが始まる前だったので、時間が取れた時に読ませてもらいました。

この作文は、「誰かに伝える」というテーマで書いたそうです。原稿用紙3枚の長文です。


 題名は、「大きな希望をありがとう」。

最初の方の文章で、
「わたしは最初「アトリエぱれっと」という習い事に行くのが少しこわくて、いやでした。」とありました。

むむむ。・・・不安な気持ちで心臓が思わず高鳴ります。

しかし、すぐその後の文章で、
「ても、先生はやさしくて、こわくなくなり楽しいと思えるようになりました。」とあり、ほっとしました。

文章を読み進めると、Mさんは慎重な性格なので、
水彩画などで新しい技術を挑戦する事に対して、けっこう不安感があったようです。

自分の気持ちを気軽に口に出せる子ではなかったので、
十分気がついてあげられず悪かったなと反省しました。

 ただし、後半の文章で、
「わたしはゆめへの階だんを、少しずつのぼっている気がして、とてもうれしいです。」とありました。

アトリエでは、生徒さんが現在できる技術や考え方より、少し上のことを教えています。
それは、生徒さんの成長を期待しているからです。

もちろん、できなくてもかまいません。
体験したり挑戦する事に意味があると思っているからです。


もし生徒さんが難しくても挑戦する気持ちがある時は、その技術や方法を教えるようにしています。
Mさんの場合は挑戦し、技術を自分の力に変えることができました。

 最後の方の文章で、
「いつもていねいに教えてくれたり、わたしに笑顔をくれて、そして大きな希望をくれてありがとうございます。」とありました。
そして、将来の夢を語る文章で締めくくられていました。

うれしいかぎりです。

私がどれだけの経験や自信をMさんに与えられたかは分かりません。
それでもこの二年間で、Mさんが成長を少しでも感じられたのならば、こんな幸せなことはありません。


 アトリエでの教え方。
決められた型のお盆の中で、盆栽のように育てることはありません。

100人の子どもがいれば、100人の個性があります。

アトリエでは、日常とは違う体験の中で、生徒さんの心のポケットに「好奇心」の種を入れてあげます。
もし、その「好奇心」に興味を持てば、自分でも努力して、「才能の芽」を育てるでしょう。

そして、いつか「大木」へと育つかもしれません。

大人になった時、ものづくりやアートへ触れる楽しさを持てれば、どんなに楽しいか。
また、生徒さんが自分に関わる誰かに、その楽しさを伝えられるかもしれません。

そんな思いで、日々生徒さんたちと向き合っています。


 ちなみに、Mさんが小学3年生から取り組んだ水彩画「住みたい家」をご紹介します。

「住みたい家」M.Sさん.小3.jpg

一年中桜とともに過ごせる夢のような家です。
立体感や遠近感も上手に表現できました。

Mさん。すてきな作文、どうもありがとう。


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