ギャラリーTOM-触って鑑賞できる美術館-
ギャラリーTOMhttps://www.gallerytom.co.jp は、渋谷から歩いて15分の場所にある、視覚障害の方が彫刻に触って鑑賞できる小さな美術館です。
児童劇作家の村山亜土氏(故)によって1984年に創設されました。
彼の息子さんは、先天的な視覚障害がありました。
「ぼくたち盲人もロダンをみる権利がある」と言った息子さんの言葉に突き動かされ、視覚障害者のための美術館が設立されました。
若い頃、視覚障害の人が触って楽しめる絵本を作りたいという夢をもっていたので、参考になればとこちらの美術館に来たことがありました。
数十年ぶりの再訪です。
入り口のドアを開けると、ギャラリーのようなコンパクトな展示室でした。
記憶はまるで残っていないので、初めての訪問とほぼ同じです。
受付のスタッフが、作品のことについて丁寧に教えて下さいました。
下の鳥の作品は、先天性の全盲の中学2年生の子が作ったそうです。
鳥の羽根の表現は、現物の鳥や鳥の映像や資料を見ている私たちでも難しいものです。
本物の鳥を触ってから作品作りをしたとしても、よく羽根をここまで再現できたものだと感心します。
金物の素材を組み合わして作った下の作品は、盲学校の中学生が作りました。
先生の指導の下で作ったとしても、個性的で魅力的です。
都内の盲学校では美術を体験できる環境が整っていると、スタッフの方から聞きました。
生活するための技術と知識を身につけるのと同時に、人生を豊かにする美術教育を学べるなんて、素晴らしいと思いました。
1階の展示室の壁側の階段を上ると、コンパクトな展示室がありました。
自分には興味深く満足できる美術館でした。
美術館のテーマがテーマだけに、この一等地の場所で40年近くよく継続されてきたなと感銘を受けました。
関係者の方々のたえまない努力の賜物だと思います。
ちなみに、入館料は、一般500円 ・小·中学生200円です。
視覚障害者の美術鑑賞の場として、大変貴重な美術館です。
これからのますますの発展を心から期待しております。
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