和のあかり×百階段2022-光と影・百物語-
東京の目黒にある「ホテル雅叙園東京」にて、現在、「光と影」を展示テーマにしたアートイルミネーション展が開催されています。
期間は、7月2日(土)から9月25日(日)までの期間限定。
開催場所は、「百段階段」。
当館で現存する唯一の木造建築で、日本文化を詰め込んだ豪華絢爛な7部屋を99段の長い階段が廊下としてつないでいます。
東京都指定有形文化財に指定されたこの階段は『千と千尋の神隠し』に登場する湯屋のモデルになったとも言われています。
ちなみに、「百段階段」は99段しかありません。
理由は諸説ありますが、縁起かつぎのためだと言われています。
奇数が縁起の良い数字だから。未完の数字は発展性のある数字だから。
昔からランプが作り出す淡い灯りが大好きです。アトリエのレッスンでも時々作りました。
「ランプシェード」H.Wさん 中2
また、一度ぜひ訪れたかった場所なので、ワクワクの気持ちでこのイベントに行ってきました。
このアートイルミネーション展は、百段階段の名前にちなんでなのか、日本古来の怪談(ダジャレ?)「百物語」がもう一つのテーマになります。
と言ってもお化け屋敷のような怖さはなく、アーティストたちが演出した美にあふれた展示でした。
また、効果音が素晴らしく魅力的で、展示物の世界に観客を自然に誘ってくれます。
エレベーターで上がると、金魚の展示物(山口県の柳井金魚ちょうちん祭りの装飾)がお出迎え。
「百段階段」はなかなか圧巻で、一番奥ははるか先です。
特に印象に残る部屋をご紹介します。
これから行かれる方は、見ないで下さい。
草丘の間-情念のあかり-
和傘がなんとも美しい。
暗闇の中で作り出される日本独特の灯りの美しさを、心から実感できます。
井戸の中には、もちろん・・・・・。
漁樵の間
竹をくりぬいて作った灯篭は、ほのかな光がとても幻想的です。
レッスンで作った「ひょうたんランプ」が思い出されます。
「ひょうたんランプ」M.Hさん 中2
部屋の柱や天井の立体的に作られた装飾が、灯りにより陰影が生まれ、強い存在感として感じられます。
静水の間-さかさまのあかり-
金属の奇怪な馬の頭の作品。
いっしょに飾られている水晶玉越しに見ると景色が逆転します。
とても奇妙で不思議な美しい空間です。
星光の間
人間が寝静まった丑三つ時の闇の中で動き出す妖怪たち。
遊び心にあふれた妖怪アートを楽しめます。
フィギュアが大好きなので、特にお気に入りの部屋です。
アマビエやヌエなどを作った造形作家の細山田匡宏氏の作品のレプリカが、土産コーナーで売られていました。
高すぎて購入は断念しましたが、とても欲しい一品です。
階段の最後の方になると薄暗くなり、妖怪提灯の明かりが妖しく灯ります。
頂上の間
窓が開き開放感あふれる部屋は、美しい色彩の布で立体的に優しく装飾されています。
階段を降りる時、ふと思いました。
階段って、上から見下ろした方が魅力的だなと。
会期の終了まであとわずかです。
「百段階段」の中で出会った日本の灯りが作り出す美しい陰影美は、言葉にできぬ魅力がありました。
よかったら足を運んでみて下さい。
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