『柴田あゆみ展』 -かみがみの森-

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 以前ネットで観た、あまりに美しすぎる切り絵。

ずっと気になっていた切り絵作家の柴田あゆみさんの個展https://www.kamigamino-mori.comが、現在、西武池袋本店で開催されている事を知りました。先日、期待に胸をふくらませて行ってきました。

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 イメージよりもたくさんの技術や表現の作品が並んでいました。

小さい作品から舞台美術で使われる巨大なものまで。
本という素材を利用した立体作品。空間を取り入れた作品もありました。

テーマは、いのちの営みと神羅万象。自分の中での解釈は、宇宙の中の生命。壮大なテーマでありつつも、自分が存在する普遍的な世界観のため、誰もが理解しやすいかもしれません。

会場の入り口で巨大ルーペを渡されます。
信じられないほどの細かい切り絵の表現は、ただただ感動します。

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ただし、切り絵の技術だけではなく、様々な技術と組み合わせて作品が作られていました。

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マーブリング(偶然生まれる模様)。
緻密なペン画。
切り絵を何層もすき間を開けながら重ねるシャドーアート。
ガラス瓶の中に紙の作品を入れることで作り出される、質感の対比の美しさ。

切り絵は、影ができることで美しさを実感できます。
そのためライティングには相当凝っていて、さまざまな工夫をしています。

心が満たされる、とても素敵な個展でした。

 柴田さんの切り絵は、唯一無二の美しさがあります。
ただし、それだけではありません。
切り絵を美しく魅せるために、貪欲にさまざまな技術を取り入れる柔軟な発想は驚嘆に値します。

いろいろな作家さんのアート作品を観て、作品の魅力について考える事があります。
どんなに素晴らしい技術が使われていても、心に響くかどうかは別の話です。

記憶や心に深く残る作品。
それは、自分の中に生み出される感覚や思想をどう表現するのか、結局、作家の創造力が一番大切であると思います。

 会場から出ると、グッズがいろいろ売っていました。
作品の一部も販売していました。20万以上の値段は、残念ながら手が出せませんでした。
でも、作品の技術と作家性だけでなく労力を考えると、妥当な金額だと思います。

記念に図録を買ったので、自宅であらためてゆっくりと作品を楽しみたいと思っています。

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 個展は、今月の12月12日(月)まで。お勧めします。

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