草間彌生美術館: ぱれっと日記

2023年08月25日

草間彌生美術館

アートに興味がなくても、草間彌生さんの作品を目にした人は多いと思います。

絵画・立体作品・ファッションデザイン・小説執筆など幅広く活躍されている世界でも有名なアーティストです。
水玉(ドット)でデザインされた、かぼちゃのオブジェや絵が特に有名です。

彼女の作品を初めて観たのは、2004年森美術館(六本木)の『クサマトリックス：草間彌生展』。

とても衝撃的でした。

作品のオブジェも展示室の天井・壁・床もすべて真っ赤な水玉で構成された、見たことのない不思議な空間。

インスタレーション(展示空間を含めて作品とみなす手法)の言葉がまだ一般的でなかったので、いっぺんに魅了されました。

後に、彼女の経歴を調べてみたら、これまた驚きの事実を知りました。

　草間さんは、子どもの頃から幻覚や幻聴に悩まされていました。
幻覚・幻聴から逃れるために絵の表現を始めたのです。

作品全体に表現された水玉（ドット）は、精神の安定を得るための儀式的な意味が込められています。

かぼちゃの作品が多いのは、かぼちゃの安定された形から「精神的力強さ」を感じるからだと言われています。

彼女のアートは、自己療法であるのと同時に、「世界の愛と平和のための闘い」を目的としています。

『クサマトリックス：草間彌生展』以来、いろいろな美術館や施設で彼女の作品を目にするたびに新しいときめきと喜びを感じていました。

　今回ご紹介する草間彌生美術館は、2017年に開業された私設美術館です。

当然とても観に行きたかったのですが、入場は日時指定の完全予約・定員制のため、なかなか行けずにおりました。
5年越しの初めての訪問です。

東京メトロ東西線「早稲田駅」から歩いて7分の場所にありました。

とてもコンパクトで5階建の建物。

現在は、『草間彌生の自己消滅、あるいはサイケデリックな世界』を展示しています。

1階には、ミラールームの最新作(「平和への願望はひとつ輝くばかり」)が置かれています。

無限に続く美しさと開放感があります。
今回一番気に入った作品です。

2・3階は、渡米時代のサイケデリック・ムーヴメントの作品が並んでいました。
※撮影は禁止されています。

4階は、蛍光ステッカーとブラックライトによる水玉(ドット)に包まれた部屋がありました。

5階は、立体作品が一つ展示されていました。

天井がないので空を見上げられ、周りはガラス越しに街並みが眺められます。

　来る前は、草間彌生さんの世界にどっぷり浸れるのを期待していましたが、割とあっさりとした展示でした。

広くない施設でしたが、階段は吹き抜けで縦に開放感があります。
建物自体を彼女の作品にすれば、もっと楽しめるのにと思いましたが、・・・難しいのでしょうね。

しかし、彼女の作品が好きな人が、観たい時にいつでも直接鑑賞できるの貴重な美術館です。

長野県の松本市美術館にも彼女の作品が展示されています。
かなりオススメです。

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