ショーン・タンの不思議な世界『The Art of Shaun Tan』
誰でも忘れられない記憶があります。
抱きしめたくなる温かい記憶。
ぼんやりとセピア色に心に浮かぶ懐かしい記憶。
心が締めつけられるような、苦い記憶。
忘れられない記憶は、現実以上に強い想いとして残ることがあります。
ショーン・タンさんの絵は、見たこともない不思議な絵が多いのですが、心に残る記憶を刺激する懐かしさがあります。
初めて見た作品は、新宿紀伊国屋の洋書コーナー。
セリフのないセピア色の絵本。
題名は、『アライバル』。
主人公が不思議な国へ旅立つ物語です。そこでの苦悩と成長する様子が描かれています。
緻密で個性的な絵にも関わらず、どこか共感できる懐かしさが魅力に感じました。
『アライバル』は、後に、日本版としても出版されました。
この作品は、アングレーム国際漫画祭最優秀作品賞をはじめ世界各国多数の賞を受賞。
また、絵本『ロスト・シング』を自ら監督しアニメ化した映像作品は、第83回アカデミー賞短編アニメーション部門を受賞。
『遠い町から来た話』では、ドイツ児童文学賞受賞・アデレード文学賞最優秀賞受賞・アストリッド・リンドグレーン記念文学賞受賞と世界的な賞を数多く受賞しました。
40代の若さなので、これからの活躍から目が離せない絵本作家・映像作家・アーテイストです。
現在、銀座 蔦屋書店にて、ショーン・タンさんの作品展示「The Art of Shaun Tan」が開催されています。https://store.tsite.jp/ginza/blog/art/36337-0939391006.html#about05
絵本の原画から制作したジークレー作品(インクジェットプリンターで印刷された限定版画作品)の展示が行われています。
♦︎会期:2023年10月16日(月)〜11月6日(月)
『アライバル』以外の絵本も知っていましたが、今回展示されている作品は、より作家性を感じる魅力を感じたので、実際に足を運んでみました。
蔦屋書店の奥に、作品が並んでいました。
今まで観た絵本の絵とは、ずいぶん作風が違いました。
どの作品も、自分の好みだったので、くりかえし鑑賞しました。
特に、気に入ったのがこの作品。『Moonfish』
色彩の美しさや遠近感の広がりなど絵の魅力はもちろんですが、強く魅了されたのは やはりいつか感じたであろう懐かしさです。
運が良いことに、会場でとても素敵な人に出会いました。
ショーン・タンさんの日本でのアート展示をプロデュースされている求龍堂のHさんです。
求龍堂(きゅうりゅうどう)とは、創立100年になる、日本の老舗の芸術専門出版社です。
口下手な私ですが、Hさんの話は大変楽しく、貴重な話をいろいろ聞かせてもらいました。
作家さんへの強い想いを持ちながら作品の解説をしてくださったので、作品を鑑賞する際に参考になりました。
新しい人やアートとの出会いは、自分にとってとても大切なきっかけです。
水に一滴のインクをたらすと新しい模様が広がってゆくように、不器用な私もちょっとだけ成長や変化をもたらしてくれます。
この新しい体験は、私からアトリエの生徒さんさんへできるだけ伝えるようにしています。
もし生徒さんに興味があれば、生徒さんにとって新しい刺激になり、さらにまた誰かに伝わってくれるとうれしいと思っているからです。
絵は、実際に観ると、輝きがまるで違って見えます。
興味がある方は、ぜひ足を運んでみて下さい。
ショーン・タンさんの日本公式HPは、https://shauntan.jpです。
関連記事
銀座でアートと気軽に出会えるデパート
https://at-pa.seesaa.net/article/499358185.html
クニャーネの店 有楽町店
https://at-pa.seesaa.net/article/498763799.html
『あし にょきにょき』-絵本は想像力の宝庫-
https://at-pa.seesaa.net/article/498188695.html
アートアクアリウム美術館 GINZA
https://at-pa.seesaa.net/article/493188226.html
バームクーヘンのフランスパン-銀座ねんりん家-
https://at-pa.seesaa.net/article/492054556.html
東京休日散歩2
https://at-pa.seesaa.net/article/201707article_8.html
内なる町から来た話 [ ショーン・タン ] - 楽天ブックス
内なる町から来た話 - ショーン・タン, 岸本佐知子
アライバル Paperback Edition [ ショーン・タン ] - 楽天ブックス
アライバル Paperback Edition - ショーン・タン
この記事へのコメント