『大巻伸嗣―真空のゆらぎ』
光と空間の存在が、人の感覚や感性をこれほどに揺さぶるとは、とても衝撃を覚えました。
足を運んだのは、国立新美術館で開催されている『大巻伸嗣―真空のゆらぎ』。
大巻伸嗣さんは、「存在するとはいかなることか」という問いを、インスタレーションという手段で表現する、国際的に高く評価されている現代現代美術家です。
インスタレーションとは、展示空間を含めて作品とみなし体感できるアートです。
国立新美術館の洗練された流線美の建物に入ると、アート気分のギヤが一つ上がります。
今回の展示は、なんと無料。そのため、お気軽な気持ちで立ち寄りました。
最初の展示室に入ると、奥行きのある暗い部屋の奥に巨大なつぼ型の作品がありました。
近づいてみると、鏡で囲まれた多面体の光る装置が作品の中を上下して、壁や床に映る光と陰が変化してゆきます。
とても未来的で、SF映画に出てきそうな装置です。
経験したことのない、光と陰の美の洗礼を身体全体で受けました。
その場から離れるのは もったいない想いで、しばらく鑑賞していました。
次の細長い展示室には、平面の作品が並んでいました。
その先の展示室には、今回展示している作品に対する資料が並んでいました。
作者の考えや制作の過程を知れて、勉強になりました。
最初の展示室の黒い床に言葉が埋められることを知り、もう一度戻って鑑賞しました。
自己とそれ以外の存在。時間と空間。
観念的なテーマに答えはありません。
観る人によって、感じ方は違います。
現代アートは、好みです。
自分の感性に1mmも共感を感じたり発見がなかったら、きっと縁がなかったのです。
評判の良い作品でも、特に美化する必要はありません。
最後の広く暗い展示室には、ほのかに明かりをともす、布地のような素材を海のように変化させ続ける巨大な作品。
壁際には座ってゆっくりと鑑賞できるように、椅子が並べられています。
一瞬たりとも同じ形はありません。
流動する水のように変化し続ける様は、心の在りようでだったり、人生や歴史のようでもあります。
時間を忘れて、しばらく鑑賞していました。
大満足の個展でした。
ちなみに、日によって展示空間でダンサーによるパフォーマンスが行われます。
詳しくは、同展のホームページで確認して下さい。
『大巻伸嗣―真空のゆらぎ』
https://www.nact.jp/exhibition_special/2023/ohmaki/index.html
♦︎会期 2023年11月1日(水)〜12月25日(月)
♦︎休館日 火曜日
♦︎会場 国立新美術館
♦︎料金 無料
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