「さわる」と「みる」がであう彫刻展

彫刻展1.jpg

 千葉県立美術館で昨日から始まった『彫刻に触れるとき』は、触れることができる彫刻展です。
初日に、観に行ってきました。

彫刻展2.jpg彫刻展3.jpg彫刻展4.jpg彫刻展5.jpg彫刻展6.jpg

作品に触る展示は、視覚障がい者の方にとって触覚を通して「美」や「芸術」を体感できる貴重な機会です。
欧米の美術館では広く実践されていましたが、近年日本でも時々行われているようです。

千葉県立美術館での今回の彫刻展は、去年に続き二回目の開催になります。
52点の作品が展示されていました。

「春を待つ人」川島史也
彫刻展7.jpg
「attitude II」守谷誠太郎
彫刻展8.jpg
「見られるもの/見返すもの」渡部直
彫刻展9.jpg
「低く浮かぶ」小松俊介
彫刻展10.jpg
「ソラリスからの遺跡からNo.1」高野浩子
彫刻展11.jpg
「あるはずのない海No.3」高野浩子
彫刻展14.jpg
「忘れない」廣川政和
彫刻展13.jpg
「獄卒」武本大志
彫刻展15.jpg
「ただよう」羽室陽森
彫刻展16.jpg

触れることができる彫刻なので、頑丈な作品が多いのかと想像していたら、まるでそんな事はありませんでした。

普通の彫刻展のように多様な作風の魅力的な作品が並んでいます。
視覚と触覚の両方で鑑賞できる展覧会でした。

ただし、触り心地を楽しめるように、形の変化や材質の違いを意識した作品が多いかもしれません。
木・ブロンズ・テラコッタ・大理石・石膏・モルタル・砂岩・レジン・紙・・・など、いろいろな材料が使われていました。

普段の彫刻展であれば、材質まではあまり意識しません。
触ってみると、材質の違いの変化がとても感じられ楽しめます。

触るという事は、うっかり作品を傷つける可能性もあるはずです。
彫刻は完成までに、とても根気と時間がかかる作品です。
作品を出品された作家の方達に素晴らしい心ざしには、心から敬服します。

作品は、低い位置や高い位置での展示があり、それほど丈夫でない材質のものもあります。
手に取ってかぶれる作品もありました。
視覚障がい者の方が訪れる際には、付き添いの方や美術館のスタッフと一緒に廻られると安心して鑑賞を楽しめるはずです。

展示場から離れた場所に常設してある彫刻があります。
いくつかは、触れる彫刻もあります。

彫刻展17.jpg

触れることができる彫刻を通してのアート鑑賞は、珍しい体験を味わえます。
お勧めです。



『彫刻に触れるとき』「さわる」と「みる」がであう彫刻展
http://www2.chiba-muse.or.jp/www/ART/contents/1692413044985/index.html

♦︎会期 1月30日(火)-2月25日(日) 9:00-16:30
♦︎入場料 無料
♦︎彫刻制作ワークショップ 2月4日(日)2回実施
♦︎シンポジウム 2月18日(日) 会場とZoom参加あり


関連記事

ジョン・ブランブリット-全盲の天才画家-
https://at-pa.seesaa.net/article/488110751.html
ギャラリーTOM-触って鑑賞できる美術館-
https://at-pa.seesaa.net/article/487734008.html
手でふれて楽しむアート
https://at-pa.seesaa.net/article/487307308.html
日本で一つだけの聾学校の造形芸術科
https://at-pa.seesaa.net/article/202203article_17.html

この記事へのコメント