ダリを感じる「体感型デジタルアート劇場」: ぱれっと日記

2024年05月03日

ダリを感じる「体感型デジタルアート劇場」

　とてつもなく幻想的で奇妙な絵。
美しくグロテスクで遊びこごろのある楽しく不思議な壮大な世界。

それが、20世紀を代表するスペイン天才芸術家サルバドール・ダリ(呼称略)の作品の印象です。

特にシュルレアリスムの代表的作家として有名です。

現在、『サルバドール・ダリ― エンドレス・エニグマ　永遠の謎― 』https://kadcul.com/event/170にて、楽しめます。

会場は、JR武蔵野線「東所沢」駅から徒歩約10分にある角川武蔵野ミュージアム。
日本を代表する建築家の隈研吾建さん設計の、図書館・美術館・博物館の文化複合施設。

シンプルなデザインだけれど、どの角度から見ても美しく魅力的な石で作られた建物です。

場所が遠いので気楽に行けませんが、とても好きな画家なので思い切って観に行きました。

　2階であるロビーでチケットを買い、巨大なポスターが貼られた階段から下に降りると、『サルバドール・ダリ　― エンドレス・エニグマ　永遠の謎 ―』の会場がありました。

ちなみに、ここの「体感型デジタルアート劇場」は、今回が3回目。

第一弾は『浮世絵劇場 from Paris 』（2021年）、第二弾は『ファン・ゴッホ―僕には世界がこう見えるー』（2022年）が開催されました。

特に『ファン・ゴッホ』展は来場者数が24万人を突破した人気の企画展です。

『ファン・ゴッホ』展に続いて、『サルバドール・ダリ』展を演出したのが、クリエイティブディレクターのジャンフランコ氏。

30年間に渡って世界各地で数多くの展覧会を演出してきました。
彼が手がけた没入型(インスタレーション　デジタルアート )展覧会は何百万人もの来場者を記録しました。

彼もまた天才的な芸術家と言えます。

　会場に入ると、サルバドール・ダリの経歴が壁にとても簡潔に分かりやすく表示されています。
第1会場の「体感型デジタルアート劇場」を観る前に、これがとても大事です。

「体感型デジタルアート劇場」は、ピンク・フロイドの楽曲が流れる中、床や壁面360度に赤いデジタルな映像が映し出されていました。

これはインターバルの映像で、時間になるとダリの生涯と名作を構成した映像が映し出されます。

四角い会場の一箇所にあるひな壇に座って鑑賞すると、映像全体を俯瞰して楽しめます。

ビーズクッションに座って鑑賞すると、くつろいだ気分で映像の中に自分が入り込んだような一体感を楽しめます。

2回鑑賞して両方体験しましたが、どちらも違った楽しみ方ができます。
どちらか一回だけでいいよと言うなら、ビーズクッションに座っての鑑賞がオススメです。

歩きながらの鑑賞もできますが、映像鑑賞の邪魔になるので、あまりする人はいませんでした。

スマートフォンとイヤホンを持参して、会場に設置されたQRコードからアクセスすると、リアルタイム音声ガイドを無料で聞くことができます。

ただし、フラッシュ撮影・動画撮影は禁止です。

映像は1回につき約35分。
日曜日から木曜日までは１日13回。金曜日と土曜日は1日18回上映されます。

　映像は・・・・・信じられないほど素晴らしく、見応えがありました。

このようなデジタルアートは、イマーシブミュージアム(東京・日本橋)や『蜷川実花展』(東京・森美術館)でも体験しましたが、一番成功していると思ったのは、チームラボのいろいろな作品です。

チームラボとは、アート・サイエンス・テクノロジー・自然界の交差する瞬間を美しく演出する集団です。

ただの映像ではなく、完成された世界観が自分の価値観を覆すほどの衝撃を受けました。

ただし今回の『サルバドール・ダリ』展の映像は、それを超えるものでした。

映像自体がアートそのものでした。

サルバドール・ダリと彼の作品を素材にめくるめくる映像の演出は、ひたすらに心躍るものでした。

例えば例を挙げますと、ダリの建物の絵の入り口に少しずつズームしてゆき、ドアを抜けると違ったダリの絵の世界に入ってゆく演出。

ダリの絵は、遠近感を意識したものが多いのですが、遠近感を感じる人物の絵が天から3Dのように飛び出して来る演出。

　ダリ好きにはたまらない映像体験でした。

サルバドール・ダリ ― エンドレス・エニグマ永遠の謎 ―

♦︎会場　角川武蔵野ミュージアム1階グランドギャラリー
♦︎会期　2023年12月20日[水] 〜 2024年05月31日[金]
♦︎営業時間　10:00～18:00（最終入館は17:30まで）
♦︎休館日　毎週火曜日（火曜日が祝日の場合は開館）
♦︎チケット　一般（大学生以上)2,500円／中高生2,000円／小学生1,300円／未就学児無料

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