ダリを知る「言葉の回廊」「永遠の謎　ダリ！ダリ？」: ぱれっと日記

2024年05月04日

ダリを知る「言葉の回廊」「永遠の謎　ダリ！ダリ？」

　「体感型デジタルアート劇場」を出ると、「言葉の回廊」に続きます。
ここまでが第１会場。

「言葉の回廊」には、ダリ(呼称略)が生前発した言葉が印刷された半透明なのれんの数々がぶら下がっています。

初めは、タメになる言葉にいろいろ出会えるのだと思っていました。

・・・・・・。
・・・・・・。

いやー、・・・・・全然違いました。

強烈、過激すぎる言葉に、クラクラします。

今回の展覧会では、ダリの人物像を分かりやすく浮き彫りにする狙いがあるようです。

そういえば、会場入り口に飾られたダリのプロフィールの紹介文がすごかったことを思い出しました。

「スペインのフィゲラス生まれのダリは、お金持ちの息子で、甘やかされて、マザコンで、父親が怖くて・・・、授業中も外の景色ばかり見ている問題児だった。」
「前衛と保守の入り混じった超内気な変わり者」

ダリは超内気だった反動か、自分の才能が開花すると、「自分は特別な存在だ」という圧倒的な自我に包まれます。

しかし、芸術家や映画俳優はそれで良いと思います。

人間性なんて関係ありません。
人間性と作品は、まるで関係ないからです。

唯一無比の強い自我があるこそ、特別な作品は産まれます。

近くにいる人は大変だと思いますが。

現代の過剰すぎる他人からの批評批判を気にして活動する有名人たちは、そういう意味では可哀想な気がします。

　そんなダリが唯一認めていたのがピカソ。

ちなみに超有名な画家のピカソは、他の画家と違い生前から大成功していました。

91歳で亡くなった時に、手元に遺した作品・住居・現金などすべての遺産の総額は約7500億円と言われています。
ピカソほど生前に成功した画家はいません。

　「言葉の回廊」を抜けると、第2会場の「永遠の謎　ダリ！ダリ？」に着きます。

会場は、赤と黒を基調としたとてもおしゃれな空間になっていました。
ダリ自身が設計したダリ劇場美術館(ダリ生誕の地フィゲラスにある)や当時のパリの劇場をイメージした内装になっています。

ダリの生涯を簡潔に知ることができました。

ちなみにダリの作品で特に好きなのは、『記憶の固執』と『目覚めの直前』。

『記憶の固執』の溶けた時計が好きで、これを模倣して作られた時計をいくつか持っています。
時々、教室にも飾っています。

この時計、当時批評家たちは深読みして、正確に時を刻む時計を溶かすことで時間は一定ではない「相対性理論」を表現していると評論していました。

しかしダリはこれを否定。
時間に拘束された忙しい現代社会を批判する風刺だったようです。

『目覚めの直前』は、遠近感を意識した現代的な美しい絵画です。

他の美術館で買った『目覚めの直前』を題材にしたこのスコープを覗くと、3Dのように虎が飛び出して見えます。

お気に入り雑貨です。

　ダリのデザインは奇抜なだけでなくとても調和が取れた美しいデザインなので、香水ボトルやアクセサリーに広く使われています。

私も、ダリのシンボルイメージのひげを針にした腕時計を持っています。
秒針は歩くアリ。

とても変なデザインなので、お気に入りの一品。

　特に面白かったのは、「ダリの採点表」。

ダリ自身の評価も含めて、他の芸術家を細かく分析評価しています。
大きなお世話的な採点表からも、ダリの人格が伺えます。

あれだけ敬愛しているピカソの評価が低いのは意外でした。

サルバドール・ダリ ― エンドレス・エニグマ永遠の謎 ―

♦︎会場　角川武蔵野ミュージアム1階グランドギャラリー
♦︎会期　2023年12月20日[水] 〜 2024年05月31日[金]
♦︎営業時間　10:00～18:00（最終入館は17:30まで）
♦︎休館日　毎週火曜日（火曜日が祝日の場合は開館）
♦︎チケット　一般（大学生以上)2,500円／中高生2,000円／小学生1,300円／未就学児無料

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