子どもの心を動かす作家の力
「先生。」
声を掛けてくれたのは、ジュニアコース6年生のMさん。
普段無口で、こちらの問いかけにも小さい声でやっと答える内気な子なので、何だろうとドキッとしました。
「先生。あの作家さん・・・・・。名前を教えて下さい。」
小さい声でしたが、一生懸命に聞いてくれました。
今日のレッスン中に、展示してある雑貨と平野実穂さんの絵画作品について説明したのを思い出しました。
よほどMさんの心に刺さったのでしょう。
たしかに透明感のある色彩は、Mさんの好む色合いです。
きっとレッスン中に、ずっと作家さんの名前をもう一度聞きたいと思っていたのでしょう。
私に聞くのには勇気が必要だったと思いますが、それ以上に平野実穂さんの作品との出会いは、Mさんにとって特別な出来事だったのかもしれません。
普段は、おゆみ野教室に私の絵を飾っています。
しかし、昨年の秋から、追加で好きな作家さんの絵を飾ることにしました。
その理由は、生徒さんたちに間近でプロの作家の絵を観る機会を作りたかったからです。
学生時代は、アートによほど興味がない限り自分からギャラリーや美術館に行くことはあまりありません。
好きなアニメ・漫画・ゲームの絵が気になり、影響を受ける程度です。
自分が知らない新しい分野の絵を観ることは、とても新鮮な体験になり、大いなる刺激を受けることがあります。
もしかしたら、自分に影響を与える貴重な出会いになるかもしれません。
私が他人の絵に影響を受けたのは、幼稚園の時に先生から頂いた「へんぜるとぐれーてる」(ニッポ出版)の挿絵でした。
きっかけは、小さいものでも、もしかしたらその人の人生を変えるものになるかもしれません。
先月までは、スクラッチアート(削って下地の色を使って絵を描くアート)のアカダチアキさんの絵を飾っていました。
キッズコースの2年生のTさんが絵を観ながら、私に言いました。
「先生。次の絵はこんな絵を描いてみたい。」
Tさんも内気な子で、普段自分からこのような事を言うことはありません。
アカダチアキさんの絵への想いが、小さい胸いっぱいに広がり、思わず口に出たのかもしれません。
現在はTさんは、希望通りスクラッチアートに取り組んでいます。
それを見ていた他の生徒さんもやりたがり、何人か同じように取り組んでいます。
アトリエぱれっとは絵や造形(工作)を学ぶ教室ですが、レッスン以外にたくさんの好奇心と情報を提供したいと思っています。
もしその一つが生徒さんにとって価値のあるものになれば、とてもうれしく思います。
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