レンズ越しに映る、儚い美しすぎる世界

 新貝敦子さんの『からくりオルゴール展』に行った時に、最後に観せていただいた小さな家の雑貨

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からくりオルゴールとは思えない見かけ。

底の巻きネジを回してから、渡されました。
「煙突を押して、屋根についたレンズを観てください。」

そっとのぞいてみると、・・・・・。
んっ。・・・・・何も見えない。

「モスキート音」のように、年齢によって見えないのかなとあせりましたが、コツがありました。
煙突を強く押し込まないと見えないようです。

レンズ穴の向こうに、小さなネズミが見えます。

手芸道具に囲まれたテーブルの上にネズミが立ち、壁際にいる猫を見つめています。

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家の中に見える情景には、物語がありました。
ぬいぐるみ工房に住んでいるネズミ。
職人が作った猫のぬいぐるみに、恋に落ちてしまいます。

流れているメロディは、『星に願いを』♪。



なんて、素敵な世界!

チャップリンの『街の灯』の主役、心優しい放浪者チャーリー。

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『小さな恋のメロディ』の主役、内気な少年ダニエルを思い出しました。

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言葉にできない想いを胸に抱きながら、愛おしい相手をそっと見つめる眼差し。

オルゴールのメロディが流れる中で、ゆっくりと動くネズミのからくり。
メロディが終わるタイミングで、煙突を押す力を弱めると、ゆっくりと画面が暗くなってゆきます。

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なんて、素敵な作品!

 この作品は、以前、北原照久さんプロデュースで、いろいろ商品化されていたそうです。
後で調べてみたら、「となりのトトロ」もありました。

ただし、これからはこのような作品をあまり作る予定ががないと聞きました。

とても大好きなからくり作品なので、できることなら、他の作品ももっと観てみたいものです。

ちなみに屋根に書かれた「4月のさかな」とは、フランス語で「エイプリルフール」という意味。

新貝さんの誕生日にちなんでつけられた、ブランド名だそうです。
なんて、素敵なネーミング。


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