『かみがつくる宇宙―ミクロとマクロの往還』
切り絵作家の柴田あゆみさんの作品を初めて観た時。
あまりの美しさに、目も心も一瞬にしてわしづかみされました。
自分が知っていた切り絵の概念は、その日消えて無くなりました。
現在、市原湖畔美術館にて、3人の女性アーティストたちによる『かみがつくる宇宙―ミクロとマクロの往還』を開催中です。
紙による表現の可能性を探求する3人は、布施知子さん・安部典子さん・柴田あゆみさん。
布施知子さんは、国内外で活躍する世界的折り紙作家。
独自に生み出した、紙によるパーツとパーツを組み合わせた「ユニット折り」という技法。
美しい幾何学模様は、どこかで出会ったような懐かしさと温かみがあります。
同時に、奇妙で未来的にも感じました。
安部典子さんは、紙による地層を表現する作家。
数千枚の紙を重ねて作り出された立体的な地層は、自然と人間と時間の関わりを具現化したものです。
照明を落とした暗い空間の中で、天井から吊るされた照明が回転しながら作品を照らします。
光の当たり具合で、作品は違った見え方ができます。
柴田あゆみさんは、音楽活動を経て、ニューヨークで教会のステンドグラスの美しさに出会います。
そこから、切り絵作家としての歩みが始まりました。
国内外で活躍する、世界が注目する気鋭の切り絵作家。
2022から始まった全国を縦断して開催された個展『かみがみの森』では、多くの観客を魅了しました。
今回展示された、吹き抜けの空間に浮かぶ巨大な作品『いのちの詩』。
光に包まれた作品は、観る者を圧倒する美しい存在。
切り出された無数の紙は、壮大な時間の中で育まれて繋いでゆく生命の神秘が感じられます。
大げさてはなく、思わず手を合わせたくなる心を揺さぶる美しさがありました。
限られた数の作品でしたが、柴田さんの作品に再会できて、とても満足しています。
市原湖畔美術館は、それほど大きい美術館ではありませんが、個性的なデザイン設計が楽しめます。
ワカサギ釣りでも有名な高滝湖のほとりにあります。
千葉市から車で1時間以内で行けます。
豊かな自然を眺めながら過ごせます。
行楽ついでに足を運んでみてはいかがでしょうか。
『かみがつくる宇宙―ミクロとマクロの往還』
♦︎会期 2024.10.19(土)-2025.01.13(月)
平日/10:00 〜 17:00 土曜・祝前日/9:30 〜 19:00 日曜・祝日/9:30 〜 18:00
※最終入館は閉館時間 30 分前まで
♦︎休館日 月曜日(祝日の場合は翌平日)・年末年始(12/29~1/3)
♦︎会場 市原湖畔美術館
♦︎料金 一般:1,000円 大高生・65 歳以上800円
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