光に包まれた神々しい絵

 先日、東京・銀座の靖山画廊で、辻本健輝さん「Little Scarlet」を観て来ました。

辻本さんの絵は、時々、グループ展で見かけていました。
胸から上の女性画が多く、今回のように全身が描かれた作品は初めて見ました。

靖山画廊は、好みの作家の個展が多いため好きなギャラリーです。
今回の展示は1階のギャラリーではなく、2階の小部屋(201号室)でした。

辻本健輝1.png

最初、2階に上がってみても飾っている部屋が分かりませんでした。
ギャラリー名が分かる表札がある部屋もなく、ドアが開いていた部屋も奥が薄暗かったためです。

謎めいていて、こういうドキドキする時間もけっこう好きです。

結局、1階のギャラリーのスタッフに声をかけて、案内していただきました。

展示されていた小部屋は薄暗く、一枚の絵だけが飾られていました。
それが、辻本健輝さん「Little Scarlet」

辻本健輝2.png

グリム童話の「赤ずきん」を題材に、辻本さんの視点で描かれた作品。

辻本健輝3.png

薄暗い壁に淡いライトの光で照らされた絵は、神々しい神秘性があります。

主人公の赤ずきんは可愛らしい女の子ではありません。
凛とした力強さを持った現代的な魅力あふれる女性。

絵本に登場するいやな性格の悪い狼の印象はありません。
凶暴な力を感じつつも威厳さをまとった神獣のような美しさがあります。

黒の闇夜に浮かび上がる、白い狼と濃い紅色(えんじ色)の服を着た赤ずきん。
金箔が効果的に使われているため、神秘性が高まります。

最上級に大好きな作品でした。

しばらく、時間を気にせずながめていました。
できれば、離れずにずっと観ていたかったです。


辻本健輝「Little Scarlet」

♦︎会期 2025年1月10日(金) -1月23日(木)
♦︎会場 靖山画廊
♦︎料金 無料


関連記事

『たいせつなもの展-…だけじゃないPANDA-』
https://at-pa.seesaa.net/article/507561399.html
勝田えみ-Moonlight Shadow-
https://at-pa.seesaa.net/article/504869000.html
一井弘和展 「Little Stories」
https://at-pa.seesaa.net/article/503954782.html
『Treasure hunting』
https://at-pa.seesaa.net/article/502807886.html

この記事へのコメント