卒業生からの進路相談

先日、懐かしい顔に再会できました。
以前アトリエに通ってくれていたS君が、親御さんと一緒に進路相談のために来訪されたのです。
S君は高校2年生。
かっての少年ぽさはすでになく、立派な青年になりつつありました。
『未来』 S.Hくん 小学6年生

受験の相談の際に必ず確認するのが、将来の見通しや未来像。
憧れの対象としての職業としてではなく、高校生であれば明確に考えなければなりません。
社会に出てゆくまでの期間が短くなりつつあるからです。
大学は通過点でしかありません。
しっかりした将来の見通しや未来像がなければ、大学も専攻も決められません。
絵を描くのが好きで、美大に進み、絵に関わる仕事に就く。
絵を描くのが好きな方であれば、誰もが一度は考えます。
しかし、選べる道は実際にはたくさんあります。
美術の技術を使ったり、美的センスを活かした職業は、多種多様のものがあるからです。
一例を挙げます。
グラフィックデザイナー(職種によって違った技術が要求されます。)
WEBデザイナー
ゲームクリエーター
ブックデザイナー
アートディレクター
インテリアデザイナー
インテリアコーディネーター
工業デザイナー
ファッションデザイナー
ファッションコーディネーター
カラーコーディネーター
宝飾デザイナー
CGデザイナー
画家
造形作家
彫刻家
金工作家
ガラス作家
イラストレーター
漫画家
アニメーター
映画監督
舞台演出家
舞台美術家
学芸員
家具工
看板制作者
美術系の教員
ヘアメイクアーティスト
メイクアップアーティスト
ネイリスト
もっと範囲を広げれは、美容師、料理人、パティシエ・・・、いくらでもあります。
まずは自分についてしっかり考察してみる。
そして、自分が好きな分野、自分が目指したい職業を見極める。
アイデアを考える必要がある職業は、短い期間で作品を作り上げる能力が求められます。
それが日課になるので、相当な能力が必要になります。
美的センスを活かした職業であれば、精神的な負担は軽くなります。
趣味として、美術と向き合うのも一つの選択です。
趣味としながらも、興味があればネット通販などで自分の作品を販売することもできます。
美大に進むのが、必ずしも正解ではありません。
完売作家と呼ばれる人気のある作家でも、美大に進まず独自で技術を学んだ人もたくさんいます。
現代は、情報が気軽に集められます。
自分の進みたい道の候補が選べたら、徹底的に調べることをお勧めします。
若いうちは誰しも視野が狭くなるため、偏った考えや決めつけた考えに固執する場合があります。
知識や情報が豊かな年長の方に相談するのも必要かもしれません。
たくさん悩み、たくさん考えるべきです。
大切な自分の人生なのですから。
そうすれば、おのずと進むべき道が見つかるはずです。
S君の面談では、S君の特性を思い出しながら、私が知っている情報をできるだけ伝えました。
無数にある選択の中から自分の道を見つけるきっかけになれば、心からうれしく思います。
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