釣谷幸輝展『旅の行方 The Endless Journey』

人は誰でも自分だけの道を持っています。
そして、いつか自分一人で歩まなければなりません。
東京・日本橋の「不忍画廊」で釣谷幸輝展を観て来ました。
ここは初めての来訪ですが、広く居心地の良いギャラリーでした。

来場者がたまたま私一人だったということもありますが、スタッフの方がとても丁寧に作品について解説して下さいました。
国内外で人気の高い釣谷幸輝さん。
絵本『旅の行方』に使われた 銅版画の絵が中心に飾られていました。
入り口の絵から順番に鑑賞すると、絵本と同様に物語が展開してゆきます。
モノクロで、不思議な感覚が漂う絵。
物語にセリフはありません。
昔から文章が少ない絵本が好きでした。
文章が少なければ、その分絵の世界に没入できるからです。
昔絵本の原作の仕事をしていました。
新人の私の原稿に対して、担当の編集の方が半分削った添削をしてきました。
えー!!! と衝撃を受けましたが、読み直してみると
・・・・・とても読みやすくなっていました。
作り手にとっては難しい作業かもしれません。
ただし、無駄を削ぎ落とした内容だからこそ、観る者にとって分かりやすくなるものです。
主人公が自分の道を歩き始めます。

不安でいっぱいなのが伝わります。

真っ直ぐな道とは限りません。
行き止まりになる事もあるでしょう。

そんな時は、覚悟を決めて飛び出さなければなりません。

いろいろな旅の果てに、いつか心の拠り所にできる場所にたどり着けます。


違った考えができる自分に出会えます。

いつの間にか不安は消えて無くなっています。

人生は、この旅路の連続です。
また、最初の絵と戻ってゆきます。
とても素敵な作品でした。
過去の作品も資料として閲覧できました。

絵本は、不忍画廊のオンラインhttps://shinobazu.buyshop.jp/items/98636000で購入できます。

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